2022年4月30日土曜日

第296回 将棋界は藤井時代

 

将棋界にはプロ棋士が目標とする八つのタイトルがあります。一つを取るだけでも大変ですが、藤井聡太さんは2月渡辺明王将を破つてのタイトル(五冠)となる「王将」を獲得しました。五冠は史上4人目の快挙で、19歳6ヶ月での達成は最年少です。将棋界は「藤井時代」になったともいわれています。


藤井聡太5冠は14歳2ヶ月で最年少のプロ棋士に。いきなり29連勝という大記録を作り、すごいデビューをかざりました。確実に実力をつけ2020年7月、17歳11ヶ月最年少で初タイトルとなる「棋聖」を獲得。8月には「王位」も奪い、二冠を手にしました。おどろくべき早さです。


本人は「これまで5冠になられた方は時代を築きた棋士ばかりなので、とても光栄です。立場に見合った実力がたりないので、もっと力をつける必要があります」とあくまでひかえめです。


 しかし周囲の評価はとても高く七冠を達成したことのある羽生善治九冠も「19歳での5冠は驚嘆すべきことです。」と述べています。


 コンピュターと真剣に向き合って将棋を研究し、努力を重ねてきた結果が、飛躍につながっているのだと思います。


 19歳という若さで将棋界のトップになった藤井聡太五冠ですが、5歳の時、祖母から将棋セットをプレゼントされ、すぐ夢中になったそうです。両親のその姿を温かく見守り、小学校1年生ころ、プロ棋士を目指す子供らが参加する東海研修会に入りました。4年生時のクラスの文集には将来の夢として大きな文字で「名人をこす」と書いています。


 王様を追い込んでいく詰め将棋に特別な興味をもち、6年生の時に全国的な大会で優勝しました。



 私は、藤井聡太さんのようにはなれませんでしたが「看護」の道に進もうと心に決めて今に至るまで、35年の月日が経とうとしています。私には小児喘息あり喘息発作が起きるたびに入院し、そこで優しく看護をしてくれた看護師さんの姿に憧れました。そして「優しい看護師さんになる」と進路を決めました。



看護とは、生のみならず死をも視野に入れ、より健康的な生活を目指すものです。人間を対象とし、深い洞察力と多くの能力開発が求められます。果たしてこれまで私は看護師としての責務を果たしてきたのだろうかと反省しています。これまでの人生で、眼前に闇が広がるようなことも幾度も経験しましたが、患者さんの笑顔や看護学生の前向きな姿からエネルギーをもらい、気持ちの切り替えができたように思います。自分自身に多くの学びがあり得るものが多く看護に携わることができ感謝の念でいっぱいです。


本館4階病棟 持田