2012年10月30日火曜日

第21回 「酒まつり」

「結構な人がいるね!」

JR西条駅に降り立った時の竹信脳神経外科医長の第一声だ。

10月7日に東広島市西条で行われた「2012酒まつり」におやじ2人旅で参加したのである。

私は昨年も参加しており、ある酒宴の席で竹信医長にその話をした事から今回の運びとなった。

朝の通勤ラッシュのような状態から解放され、出店屋台の誘惑にも負けず目指す「酒広場」へと足を進めた。今回の「酒広場」では全国の日本酒900銘柄が揃っているとの事で、おやじ2人は心をときめかせ入場料を支払い、お猪口とパンフレットをもらっていざ出陣!!

広場の中は各都道府県別にブースが分かれ、各県が20~30種類の銘柄を出していた。

やはり東北地方のブースは溢れんばかりの人がいたため、比較的人の少ないブースから攻める事とした。ちょっとした蘊蓄だが、日本酒の中でも純米の表示があるものは製造過程で醸造用アルコールを使っていないのだ。だから今回は「純米にこだわる」をテーマに銘柄をチョイスした。

最初の一杯目を注いでもらい、竹信医長と一気にそして味わうように口の中へ。

「美味い!!」

この一杯が2時間以上かけ電車に揺られたどり着いた甲斐に応えた瞬間であった。

周りの人を見てもみな一様に笑顔・笑顔・笑顔。美味い物はそれだけで人を幸せにしてくれる。これは紛れもない事実である。

それからは広場内で売っている焼き鳥片手に数県のブースへ人波をかわす様にしながら美味い酒を求めた。

途中、当院医療福祉相談室で勤務されている社会福祉士の栗原氏一家(第12回参照)と遭遇したり、知り合いに声をかけられるなどのハプニングやイベント会場で行われていたフラダンスを「肉巻きおにぎり」頬張りながら鑑賞するなどの時を堪能した。

時間も経過してきたので「酒広場」を後にし、蔵元見学へ駒を進めた。

古いが重厚で趣のある日本建築に心の静寂や安堵を感じる私もかなりおやじになっているようだが、やはりいい物はいい!

なかなか見学の機会がなかった竹信医長もiPhone5を駆使して記録を撮られていた。

最後の方はおやじ2人の修学旅行みたいになったが、今回は天気も良く、本当に酔い「酒まつり」であった。
リハビリ室 副室長 吉田(作業療法士)

2012年10月20日土曜日

第20回 「秋の夜長に」

落ち着いてなにかをするのに、ひっそりと静かな秋の夜は、いちばんいい時期です。

私はパッチワークが趣味です。
夏は汗で布が汚れるし、冬の寒い時期は手がかじかんで仕事になりません。
だから、秋にパッチワークをしています。

古い洋服や着物など、着られなくなったのを利用してクッションカバーや壁掛け、手提げバッグなど、いろいろなものを作っています。
小さな布切れを何百何千も縫って一つの作品ができます。
パターンや色の配色の組み合わせをどうするか、自分のイメージしたとおりにできると、うれしくてたまりません。
好きな画家の絵を見本にして壁掛けをつくることもあります。
小さな布切れの継ぎ合わせで、無限の世界が広がるのが好きです。

できた作品は母や友人たちにプレゼントしています。

「ありがとう、うれしいわ」

と喜んでもらえると、うれしくて次の作品の励みになります。
主人は、

「人にあげてばかりじや、自分の分がないだろう」

と笑います。
でも、作ったものを喜んでくれたり、それでわたしは大満足です。

この秋は飼い犬をモチーフにした絵画風の壁掛けを作ろうと、いま図案を考えています。

秋の夜長のもう一つの楽しみは、ずばり読書です。
夕食を片づけ、朝食の下準備を済ませると、
「しめしめ、これからはわたしの自由時間」とばかりに、読みかけの本、読みたい本を二~三冊持ち出し、居間の大机の上に積み上げて読みふけます。
健康な成人ばかりの生活だから、できることなので家族の人に感謝しています

読みたいものは常に山のようにあります。
いま読んでいる本は『ヘルプマン』という介護の現場を扱ったコミックのシリーズです。
十七巻まで読み続けました。

二人の青年が介護士として、日々成長していく様子を描いた物語で、主人公の二人はピュアではあるけれど、決して問題を簡単に解決できるスーパーマンではありません。

一人は直情径行ですぐに突き走る問題児。しかし、高齢者の抱える現実を理解し受け止めて、その人らしさを取り戻す介護を提供しようとする熱いハートの持ち主です。

もう一人は冷静な理論家。介護現場の醜さと向き合いながら、着実に理想を現実にしていこうとします。

この対照的な二人は、違ったアプローチで理想を追いながら、時に連携して問題解決に取り組みます。二人が厳しい現実に直面して、立ちすくみ、悩み、腹を立てる姿には共感したコミックです。

皆さんも時間があれば読んでみてください。
幸せな気持ちになる読書は、わたしにはこのうえない楽しみと学びと癒しです。

看護師長 持田

2012年10月10日水曜日

第19回 「初めての広島で」

春に来福してから早いもので半年が過ぎようとしています。広島弁になかなか慣れず、

“たちまち”=“瞬間”

である東京で生まれ育った私には、すべてが新鮮に感じました。

夜8時の東京の各駅は人ごみで溢れ、まっすぐ前に歩くことさえできませんが、福山駅ではまっすぐ歩けます。

東京のラーメン屋で唐揚げを出してくれるところはまずありませんが、ここではどの店でもサイドメニューにあります(しかも安くておいしい!)。

ハローズで“寺岡だし醤油”と出会って、一度キッコーマンに浮気しましたが、やはり寺岡醤油に戻りました。

浅野みそは実家に送ってあげたいくらいです。

ラーメン=太麺な私でしたが、今では尾道ラーメンにすっかりはまっております。

夜空を見上げれば、東京ではアンタレスしか見えないさそり座が、しっぽまで奇麗に見えます。秋になった今の夜明け前の夜空には、もう冬の星座が見え始めました。私の誕生月の星座、おうし座の“昴(すばる)”として知られるM45は肉眼でも見え、昔、目のいい人たちが「これが北斗七星かと思った」というのがよく分かります。

先日同僚の北川先生と宮島を訪れました。潮は引いていて、鳥居の麓まで歩いて行くことができましたが、本当に見事な絶景でした。東京では現在スカイツリーがもてはやされておりますが、スカイツリーを見て、宮島のような落ち着きを感じることはないでしょう。“日本人で良かったな”と久しぶりに感じた瞬間でした。



このようないいところ広島で、今後の目標は天体撮影をすることと、讃岐うどんを食べに行くことです。天体観測はすぐ裏山でできそうで、今、病棟の看護師に一眼レフカメラの使い方を教えてもらっているところです。

讃岐うどんは休日を利用してでしょうか。

皆さんも病院で私を見かけたら、おすすめの場所を教えてください!

お礼にお土産を買ってきますので。

脳神経外科 中川