2015年7月20日月曜日

第116回 「初孫エピソード」

先日、初孫が産まれました。

その中から命の誕生エピソードを紹介します。


長男は、陣痛が始まってから一生懸命ママのお世話をして 一緒に呼吸法をしたり、背中をさすったりしていました。いよいよ分娩が近づいてくると、ママの手をしっかり握って身体を支えたり、とにかく 「頑張ってくれ!」 という思いが、私にもヒシヒシと伝わってきました。

そして、無事誕生。 

「生まれてくれて、ありがとう。」

「生んでくれてありがとう。」

希望、夢、感動そして感謝の気持ちでいっぱいになりました。

26年前の自分を思い出して、わが子の姿を見たときの

「生まれてくれて、ありがとう。」

という感動と、

「幸せになってほしい。」

という願い。

しかしそれは、日々大変な子育ての中で、ついつい忘れてしまうこともありました。
新しい命を授かった時の戸惑いと喜び、生まれたときの感動、少しずつ成長していく姿.。
ひとつひとつにジーンとし涙し、時には笑い、「親にしてもらえて良かった」と思う。

・・・日々の生活の中で、どうしても「どうして言うことを聞いてくれないの」と色々な事を求めがち・・・もちろん、それは決して悪いことではないと思いますし、現代社会で生きていくためには、しつけや教育も不可欠です。親も人間。完璧な存在ではないし、魔法使いでもない。と開き直りたいところでもあるますが、親として、愛する我が子に出来るだけの事をしてあげたい。そこで考えてみたところ、子供が親に求めている最も大切な事の一つは、「自分がここにいていいんだ」という確証をくれる事なのではないかと思うのです。

生まれてきてくれた事 親にしてくれた事 一緒にいてくれる事、元気に成長してくれる事、そんな一つ一つの奇跡の積み重ねに感謝し、親子関係を深めることが大切だと思います。
現在、仕事が終わって毎日家に帰るのが楽しみです。
赤ちゃんの顔はいくら見ていても見飽きることがありません。今は便利な時代で向けばすぐにスマホで写真も動画も簡単に撮ることができます。赤ちゃんの成長は著しく毎日50g以上体重が増えています。

孫の誕生を機に、孫の世代の若い人たちのために自分たちに何ができるかと考えてしまいます。皆が希望を持って生きていけるような世の中であってほしいと願います。


看護師長 持田(東館3階病棟)
      

2015年7月11日土曜日

第115回 「神石高原町「ティアガルテン」で、楽しく夏を過ごそう。」

昨年の6月から、週に2回、神石高原町立病院に応援の診療に行っています。

町立病院からさらにタクシーに20分ほど揺られて、油木の特養シルトピアと神石の特養神寿苑に訪問診療に行くのですが、その車中では、タクシーの運転手さんと神石高原町について、あれこれと雑談をしています。

私は、

「夏に夜、窓を開けて寝られるようなところは、日本にそれほどない。その素晴らしさを地元の人はあまりわかっていないのでは。地元の人は、神石は冬に雪が降るから、生活に不便、だから人が住まなくなり、過疎になったというが、世の中には、雪を見て、それほど苦にならない人も、また逆に喜ぶ人もいるのに」

というのですが、あまりピンとは来ないようです。

神石高原町は現在、過疎化にまっしぐらで、人口も1万人を切り、どんどん減少しています。確かに、人口が減少していくことは「脅威」ですが、大きなポイントは、若い世代の人口比率が今後どのようになっていくのかだと思うのです。

広島県の統計を見ると、神石高原町の合計特殊出生率は、1.87で県トップ、県平均の1.57を大きく引き離しています。(ちなみに、全国平均は1.47です。)神石高原町が子育て支援の制度を充実させているということもその一因かもしれませんが、神石高原町の持つ魅力と可能性を感じます。

※合計特殊出生率(ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ、英:total fertility rate、TFR)とは、人口統計上の指標で、一人の女性が一生に産む子供の平均数を示す。

さて、そろそろ、「今年の夏を家族で楽しく過ごす」という本題に入って行きたいと思います。

7月4日に開園した、自然体験型施設 神石高原町「ティアガルテン」 について、ご紹介したいと思います。
6月28日、梅雨の間の晴天を利用し、開園前の 「ティアガルテン」に遊びに行きました。福山市内から車で30分~40分ほどで、仙養ヶ原の一角にあります。

災害救助犬 「夢の丞」 で有名な、Peace Wanko Japan(ピースワンコジャパン)と隣り合わせにあります。「ティアガルテン」はドイツ語で、「動物の楽園」という意味になるそうです。

大きな芝生の丘陵の中に、ふれあい牧場があり、乳牛が放牧され、入園者とたわむれていました。
ふれあい牧場の責任者である相馬さんと、放牧されている子牛のレモンとジャスミンについておしゃべりをしている中で、東日本大震災後、偶然ここに移住をされてきたという話をお聞きしました。

ここには、原発の放射能の影響で、地元に住めなくなり、移住してきた家族が5家族あり、小学生が8名いて、地元の小学校の生徒数50名の中で大きな数となっているそうです。 

私は2011年3月の震災で医師会のJMATとして、石巻市に医療支援で行ってから、ずーっと、石巻市雄勝町の復興の応援をしてきていますが、原発で地元に住めなくなった福島の方々のことがずーっと気がかりでした。不思議なめぐり合わせを感じました。さて、後から知ったことでしたが、相馬さんは、旧相馬藩主34代で、相馬行胤(そうま みちたね)さんと言われるそうです。

そのふれあい牧場で、しぼりたての牛乳から作ったばかりのソフトクリームを試食することができました。甘味をおさえていて、十分濃厚な味ですが、足りないと思う人は自家製のカラメルや蜂蜜をトッピングすることもでき、どちらも大変おいしかったです。

夏、家族と過ごすのに、この「ティアガルテン」は、近場で、うってつけの「穴場」ではないかと思います。隣にはドッグランがあり、ペットを連れて行ってもよし、普段は運動不足の旦那を走らせてよしです。持ち込みでのバーベキューもできるとのことです。

牧場には、子牛やヤギが放牧され、一緒に遊べますし、乳しぼり体験等もできるそうです。是非、ご家族で、あるいは家族で連れだって、楽しく遊びに行ってください。

ところで、当院の地域医療連携室と在宅支援室では、この8月に、この「ティアガルテン」で、バーベキュー大会を企画中です。参加ご希望の方は、在宅支援室の栗原までよろしくお願いします。 







総合診療科・地域医療科部長  藤原(内科)