応援している立場の者としてやるべきことをやっていないから負けたのだと言い聞かせるように、まるで自分に罰を課すように取り組むのだ。
そこには本来因果関係はあり得ないのでおかしな考えではあるのだが、晴れない気分を紛らわせる効果があるだけではなく、結果としては案外に仕事がはかどるので、やけ酒をあおってふて寝をするよりはよっぽど建設的なやり方であると言える。
実は今夜は今年初のサヨナラ負けを喫したので、いまこれを書いている。
さて、本来自分は少年時代は巨人ファン、とりわけ王貞治ファンであった。
岡山県の片田舎では、テレビでは広島県とは違って巨人戦か阪神戦がほとんどであったからであろうし、王選手については努力の結果作り上げた誰もまねのできない独特なフォームから華麗なホームランを打ちこみ試合を決める姿に魅かれたのだろう。父親は阪神ファンで、自らも軟式野球チームでプレーしていたが、長男である小生が野球・ソフトボールのプレーにはやる気を見せずからっきしへたくそでしかも巨人ファンになってしまったので、複雑な気持であったに違いない。
父親の思うようにはならないぞという反抗的な思いがそこにあったかどうかはっきりしないが、進路を決めるときにも父親がしきりに法学部、弁護士、と言っていたのに、理科系に進んで医学部を選択したのも幾分反抗的なものもあったのかもしれない。
話をプロ野球に戻すが、王選手が引退したあと、プロ野球自体は好きだったが巨人は好きではいられなくなった。新人入団時のいざこざ、他球団の大物の移籍入団、最近のFA移籍、自前の若手選手が活躍の機会を十分与えてもらえずに消えていく、そして妖怪のごとくいまだに君臨しているナベツネ。常勝を課せられている球団としての宿命とはいえ、どうにも気持ちよくない。
平成元年から当院非常勤となり、常勤に移行して、平成3年に福山に転居して23年、妻は元来カープファンで、子ども達は広島県で生まれ育ち自然とカープファンとなっていて、つられた感はあるものの、自前の若手選手と、他球団を出された選手と、一流ではない外人選手が、高給をもらわずに果敢に挑んでいる、そんな地元球団に対して近年愛着が加速している。
今や、妻や息子を置いてけぼりに一人でマツダスタジアムに応援に行くこともある。
スポーツも音楽もライブが好きなもので、しかもマツダスタジアムが良い(ヤンキースタジアムみたい)。
今後も、多忙な勤務の合間をぬって、すきあらば観戦応援に行くであろう。
最後にお断りしておきますが、お誘いいただいてもご一緒はできませんのでご容赦下さい。
なにせ友人・仲間と行くと全敗、家族・単独ではほぼ全勝という戦歴を誇るものですから。
あしからず。
副院長 熊谷