2013年10月10日木曜日

第55回 「人類の起源」

「人類の起源は?」

と聞くと、

「アダムとイブ」

と、答える人が多い。

しかし、これはキリスト教の旧約聖書の中にあるだけで、現実的ではない。

生物の中で最も進化しているのは、霊長類(ヒト、チンパンジー、ゴリラ、オラウータン)である。
この中で、道具を使えるのがヒトである。なぜ、ヒトが生まれたかは歴史学者が研究している。

今回は、これを大まかに書くことにする。

ヒトは約170~100万年前にアフリカの東側にあるジャングルから平地に下りたといわれている。平地では生活できなくて、ジャングルに帰ったのが、チンパンジーとゴリラである。ヒト、チンパンジーとゴリラは、赤道直下で太陽からの直射日光から保護するために皮膚は黒い。平地に下りたヒトは、他の動物のように牙や爪がないために、2本足歩行(直立)して食料を獲るために手で道具を使ったり火を興したりした。これがホモ・サピエンスである。ホモとは人類のことであり、ホモ・サピエンスは「知恵のあるヒト」という意味である。

その後、10万年前に、ホモ・サピエンスが北上してネアンデルタール人となったという説とホモ・サピエンスとネアンデルタール人は共存し、中東あたりで交配して一種になったという説がある。さらに、黒海まで北上して、4万年前に、現在のヨーロッパあたりでクロマニヨン人になった。そこは、アフリカのように暑くなく、むしろ寒い地方のため、肌が黒いと紫外線を吸収して作るビタミンDを作れなくなるために、肌が白くなったといわれている。これが、白人(コーカソイド)で、現代のヨーロッパ人である。

さかのぼって、100万年前にアフリカから海にのって東に渡ったのがジャワ原人といわれている。これが、オーストラリア原住民であり、やはり肌の色は黒い。

黒人は走ったり跳んだりが得意で鼻の孔が丸く、白人は泳いだり潜ったりに適したように鼻の穴が長くて細い。

50万年前にアフリカからアジアに渡ったのが北京原人である。しかし、アジア人のみが黄色人種(モンゴロイド)といわれ、なぜ肌が黄色なのかがわからない。黒人と白人は頭蓋骨以外の体格・骨格はよく似ているが、アジア人は脚が短く、弯曲が強い。学説はないが、霊長類のなかで唯一長い茶色の毛を持ち、ボルネオの森にしかいない「森のヒト」といわれているオラウータンがアジア人の先祖ではないかと密かに考えている。


副院長 小坂(整形外科)