2016年4月10日日曜日

第141回 「あてなよる」

そんなこんなで遂に五巡目ですね。こういう企画は長続きしやすいなあ。

僕の担当の時はこれまで、"本"・"音楽"・"オーディオ"という3題咄みたいな内容で書いてきましたが、ようやくにして「大人の世界」に入ります。

「あてなよる」

と聞いてもなんじゃそれ、の世界ですが、NHK BSプレミアム(3チャンネル)の番組のタイトルで、番宣にいわく、

「酒の肴のことを日本人は愛情を込め「あて」と呼ぶ。酒にあてがうもの、酒の味を引き立ててくれる伴奏者。極上の「あて」と酒でたのしむ大人のエンターテイメント。」
ということですね。

実は、昨年の9月29日(木)の放送が一回目だったようですが、再放送で初めて見て、うわー、これは!と驚愕。料理研究家の大原千鶴さんが、京都市内某所の“あてラボラトリー”の女将さんとして登場し、ゲスト2名を招いて「あて」を作り、(1回目では登場しないけど)ソムリエの若林英司さんがそれにあう酒をセレクト(この順番は逆かもしれないけど)する、と言葉にするとこの番組のspecial感はわからないでしょうね。なにしろ映像もシネカメラで撮影した、まるで映画のワンシーンのような美しい“絵”。ゲストもこの回は戸田菜穂さんと登山家の野口健さんという異色の組み合わせ。迎えてくれた「番頭はん」(和服に前掛け)が、あの松尾剛アナ。料理も「卵」がテーマだったけど、温泉卵の黄身だけ特製の味噌に漬け込んだのとか・・・、うっ、よだれが!合わせる酒も尋常ではなく、紹興酒やアモンティリャードから、野口さん特注の、エベレスト登山仕様(!)のプラボトル吟醸酒経由で、締めのシャンパーニュまで、全くなんという贅沢さ。後味のよさも抜群ですね。

2回目は今年の2月25日(木)で、大阪法善寺界隈で呑む、という企画でしたが、3回目が良かった!3月3日(木)「鮭で呑む」。ゲストは中越典子さんと生物学者の長沼毅さん。この回は、1回目とは違う「あてラボ」で、大原さんとソムリエ若林氏のお出迎えでしたが、よく見ると大原さんの着物(毎回凝っている)と、若林氏のネクタイが“鮭のピンク”で、中越さんの頬が、番組がすすむにつれて、美しく鮭の色に紅潮する?という企画(ではないか)。

料理も平凡な鮭料理が出ようはずもなく、鮭缶(特大)におろしニンニクとパクチー(コリアンダーと同じものって知ってましたか?)を入れ、コリアンダーも入っているベルギービールのヒューガルデン・ホワイトに合わせたり。ナポリタンが出てきたと思ったら、麺が焼きそば用の麺だったり。これには微発泡のロゼワインを合わせるのか・・・。なんとも大人の贅沢とはこのことか、と思わせる30分でした。

今後はどうも、月一くらいの頻度でやるらしく、次は4月28日(木)23時15分から、ということですので、興味のある方はお見逃し無く。なお、以前のものも再放送することがあるのでチェック必要!

この番組は実は、もともと僕の大好きなBSプレミアムの「京都人の密かな愉しみ」という番組があるのですが、その中に、NHK料理教室の例のテーマ曲と共に突然出てくる「お料理コーナー(例の大原さんと松尾アナの出演)」のスピンアウトバージョンではないかと思われます。同じ人が企画しているようで、何しろ京都の四季の街並みが、なんとも美しい“絵”で描かれています。この番組については、語るべき事が多すぎますので、また次の機会に。 ではでは。

病院長 武田