2012年4月28日土曜日

第3回 「お茶」

皆さんは、コーヒー派それとも紅茶派・・・?
私の妻は紅茶派です。ビートルズのファンである妻が、自然とイギリスを好きになり、紅茶好きになったというわけ・・・。それでお茶にまつわる話を聞かされたのです。

妻:「日本紅茶協会という団体があって、1991年養成認定制度を設け、資格認定試験に合格した人は『日本紅茶協会認定・ティーインストラクター』になれるのよ・・・」

私:「へえ〜・・・」

ティーインストラクター3級の資格を持つ妻は続けて言いました。

妻:「世界で生産されている茶は年間に約310万t、そのうち約80%が紅茶、20%が緑茶で、「茶」は学名カメリア・シネンシスといわれるツバキ科の常緑樹で、この常緑樹の新芽や若葉や茎を原料として紅茶・緑茶・ウーロン茶を作ることができるの。だから紅茶の木とか、ウーロン茶の木などが存在するわけじゃないの。このカメリア・シネンシスを原料としたものだけが「茶」とされ、その他の原料による茶は「茶外茶」または「代用茶」と呼ばれるのよ・・・」

私:「さすがインストラクター様・・・」

妻:「茶の故郷については諸説あるけど、一般的には中国西南部・雲南省一帯とされていて、良質な紅茶の生産地は『ティーベルト』と呼ばれるの。赤道と北回帰線との中間に位置する国々の山岳地帯に多いの・・・」

ここまでくると、私も無視するわけにいかず、

私:「よく覚えているね・・・」

とゴマをする次第。

話はだんだん盛り上がるがどうも様子がおかしい・・・。私はいつになったら紅茶を頂けるのか?・・・といささか疑問に思いながら切り出した。

私:「おいしい紅茶が欲しいなぁ〜・・・・」

しかし、しゃべりつくした妻はあっさりその場を立ち去るではありませんか。
とても気持ちよくお話しされたんだと思います。ひとり残された私は、椅子から立ちカップにインスタントコーヒーを注ぎ飲んだとさ・・・合掌。

ある日曜日の出来事でした・・・。  

リハビリ室長 木村(理学療法士)

2012年4月20日金曜日

第2回 「私のストレス発散法」

私は仕事以外にも、心理学の勉強、旅行、日本舞踊、ハーモニカ、水泳、庭園を作る、図書館にこもる等などやりたいことがたくさんある心多き56歳です。もっともっと時間があれば人生を楽しむことができるのに、1日24時間しかないことに悔しい思いをしています。

やりたいことの一つに、「庭園を作る」という大きな夢があります。休みの日には、山に入り、鎌を持ち、下刈作業をしています。水車小屋を作り、遊歩道を作り、花が咲く木を植え、散策ができるようにすることが私の夢でもあり、また自然の中で力仕事をして汗を流すことが、ストレス発散にもなっています。

今はデスクワークで、こう見えても内気な性格でストレスが多くたまります。山仕事は全身の筋肉を使うので心地よい筋肉痛があり、これが痩せるためでもあり、汗が出ることでストレスが体から出ているような気分になり爽快感があります。小鳥のさえずりや小川のせせらぎの音を聞き、落ち葉の匂いを嗅ぎながら木の枝を落とします。昔の人は大きな機械もなく人力で森を開拓して農地を作っていたことを思い、少しずつ少しずつでも木を切っていれば、いつかは庭園ができることを夢見て、ウキウキしながら山に出かけています。

ただ一つだけ難点があります。一人で山にいると霊が私を見ているようで、猪や野良犬が出て来そうで、一人で山に行くのは怖いのです。主人と時間が合わないと行けないので、ひと月に2日ぐらいしか山に行くことができません。しかも手作業なので、しばらくするとまた新しい木が生えてしまうので、堂々巡りになることもあります。そして猪が土地を掘り返し、大きな石をも動かすので山肌が崩れ、せっかく作った道が崩れ悔しい思いもしています。

自然と格闘しながら、彼岸花、桜、木蓮、椿、ツツジなどが咲き、秋には紅葉がきれいです。少しずつ少しずつです、夢に向かって進んでいます。  

看護部長 甲斐

2012年4月2日月曜日

第1回 「早春の三冊」

今年度から、当院職員からの情報発信の一つとして、ホームページに一筆書くことになりました。
内容は特に縛りはなく、それぞれの仕事や趣味の話、食べ物やお酒の話、政治談話、日頃感じていること・・・等々、できるだけpersonal な内容としたいと考えています。
まず第1回目は、院長の武田が担当いたします。

次々にバトンタッチしたいと思います。

 「早春の三冊」などとおおげさなタイトルですが、別に早春にふさわしい本を特別にセレクトした、などということではありません。たまたま最近再読して、特に興味深かった本、というだけなのです。

 僕は本が大好きで、常に複数の本を並行して読んでいます。一種の活字中毒でしょうが、この中毒には効く薬もなく、患者は楽しいばっかりなので、特に治療の必要もありません。


 今回は全く脈絡無く、以下の三冊をあげてみました。

1)「喜嶋先生の静かな世界」 森博嗣 講談社
2)「星を継ぐもの」 ジェイムズ・P・ホーガン 創元SF文庫
3)「長いお別れ」 レイモンド・チャンドラー ハヤカワ文庫



読んでおられない方に、「ネタバレ」になってはいけませんので、あまり具体的には書きませんが、それぞれに感じたことを簡単に。

 一冊目の著者;森博嗣氏は某国立大学工学部助教授で、ミステリーの分野で多数の著書を怒濤の如く出版されていますが、これは全く違った内容の、「自伝的小説」です。“理系の研究者はこういう生活をして、こんな事を考えているのか!!”と驚く本なのですが、何しろ登場人物がみんなある意味変人で、大変に魅力的。静かなよろこびと、静かなかなしみに満ちた本です。

一節だけ引用:「一日中、たった一つの微分方程式を睨んでいたんだ。あの素敵な時間は、いったいどこへいったのだろう。」

 二冊目、これはSFの古典で、かなり多くの方が読まれていると思います。壮大な構想をもとに書かれた、三部作(のちに四部作となる)の最初の一冊。月面で、宇宙服をまとった死体が発見され、その死体は5万年前のものと判明する・・・という始まりで、さらに紆余曲折の連続の後、地球人の起源が(も)解き明かされるSFなのですが、そこに描かれる科学・技術についての記載が素晴らしくリアルで、物語の進行にワクワクさせられる数少ない本のひとつでしょう。

 三冊目、これもハードボイルドの古典ですね。僕は最初に十代の頃に読んで強い印象を受けましたが、ある程度年を喰ってから読むとまた一段と味わい深いです。最近村上春樹氏が新訳に挑戦していますが(「ロング・グッドバイ」)、やはり慣れた清水俊二訳のものが落ち着きますね。これを読んだあとは、ついバーでギムレットを注文してしまう人がたくさんいるのでは・・・。

 いずれにしても、読書三昧は良いもので、時間を忘れてしまいます。読書の秋、と言いますが、春も夏も冬も読書には良いシーズンですね。

院長 武田