2014年6月30日月曜日

第80回 「熱中症とは」

熱中症とは、室温や気温が高い中での作業や運動により、徐々に体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、体がだるい、ひどいときにはけいれんや意識の異常など、様々な症状をおこす病気です。

家の中でじっとしていても室温や湿度が高いために、熱中症になる場合がありますので、注意が必要です。 

熱中症について正しい知識を身につけ、体調の変化に気をつけるとともに、周囲にも気を配り、熱中症による健康被害を防ぎましょう。


熱中症の症状
○ めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い

○ 頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う

重症になると、

○ 返事がおかしい(呼びかけに対し反応がおかしい・会話がおかしいなど)、意識消失、
   運動障害(普段通りに歩けないなど)、けいれん、からだが熱い


熱中症予防のポイント

○ 部屋の温度をこまめにチェックしましょう ! (普段過ごす部屋には温度計を置いておきましょう)

○ 室温は28℃を超えないように、エアコンや扇風機を上手に使いましょう !

○ のどが渇いたと感じたら必ず水分補給しましょう !

○ のどが渇かなくてもこまめに水分補給を心がけましょう !

○ 外出の際は体をしめつけない涼しい服装で、日傘や帽子などで日よけ対策もしっかりと !

○ 無理をせず、適度に休憩をとりましょう !

○ 日頃から栄養バランスの良い食事をとりましょう !

熱中症の応急手当

✚涼しい場所へ
エアコンが効いている室内や扇風機・うちわなどで風をあて、体を 冷やす、風通しのよい日陰など、涼しい場所へ避難させる

✚からだを冷やす

衣服をゆるめ、からだを冷やす

(特に、首の周り、脇の下、足の付け根など保冷剤、氷、冷たいタオルなどで)

✚水分補給

:水分・塩分、経口補水液※などを補給する

(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)

厚生労働省ホームページ「熱中症関連情報」参照


薬剤科 清水

2014年6月20日金曜日

第79回 「過去へタイムスリップ」

私の母は、現在一人暮らしをしています。
今年で78歳になります。
遠方でなかなか会えませんが、メールでやり取りしたり、電話をしたりと連絡は欠かさず取り合っています。電話で話し始めるとなかなか話が尽きません。話していると、ついつい時間を忘れてしまい、夫に注意されてしまう事も度々あります。

先日もいつものように、母から電話がありました。

押入れの整理をしていたら、私の小学校の文集が出てきたと言うのです。
母は、文集を読んで懐かしがって電話してきたのでした。

私の小学校の頃の思い出を次々に話し始めました。
私が忘れていた話や、今まで知らなかった話をうれしそうに話しはじめます。

そんな母ですが、最近物忘れをする事が多くなりました。
自分でも忘れないように工夫しているようです。カレンダーが真っ黒になるくらい予定が書き込んでありました。でも、電話では思い出話が嘘のようにどんどん出てくるのです。びっくりしました。

先日、母に会いに実家へ帰りました。
ダンボール箱の中に、私の小学校時代の文集や日記帳がまとめてありました。

懐かしく手に取ってみました。

何十年ぶりに読むのでしょう。
小学生時代に書いた私の直筆の活字がそこにはありました。
400字の原稿用紙に、はみ出しそうな大きな字が並んでいました。
小学校2年「将来の夢」と題した作文に、

「私は花屋さんになりたい」

と書いていました。

友達の作文は、「将来、野球選手になる」「将来ピアノの先生になる」と書かれていました。
読んでいくうちに、小学校時代に戻ったような気分になり、作文を書いている時の自分を思い出してきました。あの時の教室の風景や、作文を考えて書いている自分、友達の顔や担任の先生の顔。懐かしい思い出が蘇ってきました。40年前の自分の頭の中を覗いている気分です。過去へタイムスリップしたと言えばかっこいいかもしれません。茶色のざらざらした紙に印刷され、勿論カラー印刷ではない、友達の手書きのイラストが添えてある、1枚1枚手で折って束ねてホッチキスで閉じて自分たちで手作り製本した記憶もよみがえってきました。

母の記憶力も感心しましたが自分の記憶力も順序をたどれば思い出していくものだとつくづく思いました。そして写真も思い出になるけれど、一生懸命に考えて書いた文章はかけがえのない「その時の自分」そのものだと思いました。

今ここに書いている文章が10年後に読んだら懐かしく思い出されるでしょうか。
これからもずっと母と笑いながら語り合っていきたいと思います。


看護主任 小川 智穂子

2014年6月10日火曜日

第78回 「郷土のあるべき姿」

広島カープ 強いですね。

昨年終盤からの勢いを今シーズンにそのまま持ち込み、セリーグは予想外?の展開になっています。
最近はマツダスタジアムに出かけると、スタンドでは老若男女を問わない一体感のある応援、溢れんばかりのお客さんは球場内の各種ショップに詰めかけ、試合後の広島駅周辺の飲食店はどこも満員といった状況になっています。まさに地域活性化を目の当たりする状況です。

スポーツによる地域活性化効果について 中国地方総合研究センターの本郷満さん は経済面だけではなく、社会面(地域への愛着、コミュニティー及び社会参加意識の高揚)をあげておられます。最近政府の新成長戦略である「日本再生ビジョン」においてプロ野球の16球団拡大が地域活性化案の1つとして打ち出されました。これもまた、スポーツによる社会面を含めた地域活性化を期待するものと考えられます。

地域を単位とする社会意識は、スポーツ関係だけではなく医療界においても近年キーワードになりつつあります。

平成26年度の一般歳出の約三割を社会保障費が占めており、今後の高齢化とともに社会保障費は急激な増加が見込まれています。また地方における二次医療圏の設定や医療従事者の確保などが、国主導の体制であることも問題点として指摘されています。

地域に適した医療のために 医療提供の量(病床数)、質(医療提携、医療安全)の評価と配分、包括ケア(検診や医療と介護の切れ目なく高齢者を支えあう仕組み)などの医療システムの再構築が地域主導で行われようとしています。

人々の価値観は多様化し、社会状況も変化します。地域における課題も多様化し、教育や環境などの問題も地域を単位とする対応がすすめられてきています。

広島で生まれ育った人たちにとってカープは郷土の象徴であり誇りでもあります。数十年ぶりのカープの快進撃を見守りながら、後年の郷土のあるべき姿にも、少しばかり思いを巡らせてみたいと思います。


内科 河野