2016年4月30日土曜日

第143回 「釣りとヒッチハイカー」

4月に入り、気候も穏やか・・・桜はというと、もう葉桜へ変身!!
寒さも和らぎ釣りにはちょうど良い気候!!

先日、しまなみ海道を渡り“大島”へ釣行。最近は兄も私の影響で釣りを始め、一緒に釣行。釣り場へ行く前に、ちょっと釣具を揃えておこうと思い、釣具屋へ直行。道具もそろい、さあ出発!!と思いきや、知らない人が声を掛けてきて、

知らないお兄さん:
「尾道まで行きたいのですが、どうやって行けば良いですか?」

私:
「えっっ!!」

国道2号線近くの釣具屋だったので、

私:
「この道を真っ直ぐ行けば尾道ですよ」

と答え、ついでに

私:
「どこまで行かれますか?」

と聞いてしまった。

知らないお兄さん:
「歩いて、向こうに行こうと思ってます」

と答え、

再度、

私:
「えっっ!!」「ここから歩いたら、かなり時間がかかりますよ!20~30km以上はありますよ!!」
「ちょうど良い。これから僕たち、尾道方面へ行くので一緒に乗りますか?」

知らないお兄さん:
「良いですか?助かります」

と言われ、人生初のヒッチハイカーを乗せることに・・・。

車内での会話で、大阪からこられた方だと分かったが、それ以上はあまり喋りたがらない人だった。何だか、話を聞いていると訳ありの人のようだ。

内心、乗せるんじゃなかった・・・と思いながら、顔には出さないようにして・・・。
でも、心配になり、車の中でいろいろ聞いて・・・。

聞いていくうちに、本当は大阪に帰りたい・・・でも、トラブルがあってお金も携帯も無い・・・香川に知り合いがいるから、四国へ渡りたい・・・。

じゃあ、しまなみ海道じゃないだろ!!瀬戸大橋へ行け!!と思い、聞いてみたら、福山は初めてだから地理が分からないとのこと。

結局、しまなみ海道のサービスエリアまで送り、ジュース一本渡して、降りて行った。
その後の釣りは何だか、釣れる気もしない・・・そして結局、釣れない・・・。

今日の釣果は“知らないお兄さん”一人だけだった・・・でもキャッチ&リリース!

僕の釣りは、いつもこんな感じ!!でも止められない!!
ちなみに、帰りに知らないお兄さんを降ろしたサービスエリアには、誰も居ない。どこかに泳いでいったのか・・・お兄さん!!

通所リハ管理者 戸田(理学療法士)

2016年4月20日水曜日

第142回 「真夏のダウンコート」

ただひとり、氷上に立つ。
研ぎ澄まされた鋭い空気の中に音楽が流れると、華やかな別世界に吸い込まれていく。

ちょっと、ポエマーだったでしょうか(赤面)。

氷上の芸術でありながら、カテゴリーはスポーツ。フィギュアスケート。
アマチュア競技人口は未知数、ファン人口3,000万に及ぶプロ野球に比べると、競技人口3~4,000人程度のフィギュアスケートはマイナースポーツと言わざるを得ません。
またその複雑難解なルールは、フィギュアスケートに興味のない人(うちの夫とか)にとって「フィギュアスケートってスポーツなの?」といった、そもそも論すら発動してしまうほど。

もちろんフィギュアスケートはスポーツです。その優美さ、華やかさとはかけ離れた小数点下での得点争いがあります。2014年の世界選手権でショート1位だった町田樹選手を、フリー演技で羽生結弦選手がわずか0.33点差で逆転優勝したことは、フィギュアスケートが0.01点を競うスポーツであることを改めて世に知らしめた出来事だったと記憶しています。
フィギュアスケートにはシングル(男・女)、ペア、アイスダンスの4種目があります。ISUグランプリシリーズには、世界6か国(アメリカ・カナダ・中国・フランス・ロシア・日本)で開催される大会と、その6大会の上位選手が出場するグランプリファイナルがあります。時差に屈することなく勤務調整しながらTV放送やネット中継で(観られるものは)だいたい全種目を観ますが、特に男女シングルが好きです。

ショート、フリーでは構成上必要とされるエレメンツ(要素)が異なります。
ショートでは7つの要素(ジャンプ、スピン、ステップ)から成るプログラムで演技時間は男女とも2分50秒以内となっています。

フリーは、原則的に自由な楽曲で演技を構成しますが、構成内容にはジャンプの回数や同種類のジャンプは2回まで、そのうち1つはコンビネーションにしないといけない、など細かいルールを網羅しつつ演技時間は男子が4分30秒、女子は4分間(いずれも±10秒まで可)となっています。

ジャンプは6種類。サルコウ(S)、トウループ(T)、ループ(Lo)、フリップ(F)、ルッツ(Lz)、アクセル(A)の順に難易度が高く、その回転数ごとに基礎点が上がります。

スピンは基本的な4種類、アップライト(USp)、シット(SSp)、キャメル(CSp)、レイバック(LSp)に加えてポジションの変化により名称を変えていくつも種類があります。

ステップはエッジのさまざまな場所に体重を置き換えながら細かいターンなどを入れながら滑ることで、ソチオリンピック金メダリストの羽生結弦選手がトリプルアクセルの前に使用したこと(というかそれを解説した、佐野稔氏のおかげ)で有名になったカウンターを始め、スリーターン、ロッカー、ブラケット、ループ、ツイヅルがあります。

この程度の大まかな技の見分けができるようになると、フィギュアスケートがスポーツであることが実感でき、より楽しめると思います。

TV放送やネット中継などで観戦するときは、選手ごとに演技構成となるジャンプやスピンの種類をメモしていきます。ジャンプやスピンなどの基礎点やGOE(出来栄え点)を大体覚えておくと、観戦するときに電卓が手放せないという症状がでるようになります。

フィギュアスケートの採点では、5~9名のジャッジが出した得点のうち、最高得点と最低得点を除いた3~7名分の得点の平均点が採用されています。演技後の選手はキスアンドクライでコーチなどと時に談笑、時に慰めてもらったりしながらこの採点を待っています。最近ではフィギュアスケートの採点アプリなるものも登場し便利になりました。

自分で計算した得点は、プロトコルで答え合わせします。これが至福のひととき。
また、プロトコルには選手の息づかいが聞こえてくるような凄まじい結果もあり、その数字の羅列を見て震えることもあります(号泣)。

こんなことをしながら、さまざまな試合を見重ねていくとジャンプやスケーティング、スピン、そのほか技と技のつなぎなどで、見ていて心地いい、目の離せない選手に出会えると思います。

今は春。
フィギュアスケートは7月が年度初めなので競技としてはオフシーズンですが、アイスショーは花盛り。ショーでは得点に縛られず自由に生き生きとフィギュアスケートを楽しむ選手を観ることができます。ただし、外は春~夏でもアイスリンク内は真冬の気温なのでダウンコートは欠かせません。真夏でも防寒対策必須。私のカバンには年中カイロが入っています。

看護主任 宮川(回復期リハビリテーション病棟)

2016年4月10日日曜日

第141回 「あてなよる」

そんなこんなで遂に五巡目ですね。こういう企画は長続きしやすいなあ。

僕の担当の時はこれまで、"本"・"音楽"・"オーディオ"という3題咄みたいな内容で書いてきましたが、ようやくにして「大人の世界」に入ります。

「あてなよる」

と聞いてもなんじゃそれ、の世界ですが、NHK BSプレミアム(3チャンネル)の番組のタイトルで、番宣にいわく、

「酒の肴のことを日本人は愛情を込め「あて」と呼ぶ。酒にあてがうもの、酒の味を引き立ててくれる伴奏者。極上の「あて」と酒でたのしむ大人のエンターテイメント。」
ということですね。

実は、昨年の9月29日(木)の放送が一回目だったようですが、再放送で初めて見て、うわー、これは!と驚愕。料理研究家の大原千鶴さんが、京都市内某所の“あてラボラトリー”の女将さんとして登場し、ゲスト2名を招いて「あて」を作り、(1回目では登場しないけど)ソムリエの若林英司さんがそれにあう酒をセレクト(この順番は逆かもしれないけど)する、と言葉にするとこの番組のspecial感はわからないでしょうね。なにしろ映像もシネカメラで撮影した、まるで映画のワンシーンのような美しい“絵”。ゲストもこの回は戸田菜穂さんと登山家の野口健さんという異色の組み合わせ。迎えてくれた「番頭はん」(和服に前掛け)が、あの松尾剛アナ。料理も「卵」がテーマだったけど、温泉卵の黄身だけ特製の味噌に漬け込んだのとか・・・、うっ、よだれが!合わせる酒も尋常ではなく、紹興酒やアモンティリャードから、野口さん特注の、エベレスト登山仕様(!)のプラボトル吟醸酒経由で、締めのシャンパーニュまで、全くなんという贅沢さ。後味のよさも抜群ですね。

2回目は今年の2月25日(木)で、大阪法善寺界隈で呑む、という企画でしたが、3回目が良かった!3月3日(木)「鮭で呑む」。ゲストは中越典子さんと生物学者の長沼毅さん。この回は、1回目とは違う「あてラボ」で、大原さんとソムリエ若林氏のお出迎えでしたが、よく見ると大原さんの着物(毎回凝っている)と、若林氏のネクタイが“鮭のピンク”で、中越さんの頬が、番組がすすむにつれて、美しく鮭の色に紅潮する?という企画(ではないか)。

料理も平凡な鮭料理が出ようはずもなく、鮭缶(特大)におろしニンニクとパクチー(コリアンダーと同じものって知ってましたか?)を入れ、コリアンダーも入っているベルギービールのヒューガルデン・ホワイトに合わせたり。ナポリタンが出てきたと思ったら、麺が焼きそば用の麺だったり。これには微発泡のロゼワインを合わせるのか・・・。なんとも大人の贅沢とはこのことか、と思わせる30分でした。

今後はどうも、月一くらいの頻度でやるらしく、次は4月28日(木)23時15分から、ということですので、興味のある方はお見逃し無く。なお、以前のものも再放送することがあるのでチェック必要!

この番組は実は、もともと僕の大好きなBSプレミアムの「京都人の密かな愉しみ」という番組があるのですが、その中に、NHK料理教室の例のテーマ曲と共に突然出てくる「お料理コーナー(例の大原さんと松尾アナの出演)」のスピンアウトバージョンではないかと思われます。同じ人が企画しているようで、何しろ京都の四季の街並みが、なんとも美しい“絵”で描かれています。この番組については、語るべき事が多すぎますので、また次の機会に。 ではでは。

病院長 武田