2015年8月10日月曜日

第118回 「消えるジャズ喫茶」

私の趣味のひとつに、ジャズの鑑賞があります。
かれこれ45年になるでしょうか。

昔はLPレコードを買い、家具調のステレオ(この言い方がもうすでに過去のもので、いまはコンポ、オーディオでしょう)で聞いておりました。小遣いのほとんどはLP代になっていました。今もあるのか定かでないのですが、「スイングジャーナル」というジャズの月刊誌もあり、本屋で立ち読みして、次はどのレコードを買おうかと迷ったりしていました。。大学生になり、あちこちにジャズ喫茶があり(といっても府中市のお好み焼き屋ほどのものではありませんが)、よく通ったものでした。買ったばかりのLPを持参してかけてもらったりしたこともありました。

実家のある尾道市の美ノ郷町に40年ほど前に「ラボ」というジャズ喫茶があり、たまたまみつけてはいったことがあります。まあ、見てびっくり、馬鹿でかいコンクリートホーンスピーカー、すわり心地の良い椅子がすべてスピーカー側へ並べられており、ジャズを聴くためだけに存在しているところでした。
入り口には貼り紙があり、

「当店はジャズを聴いていただくためのお店です。したがって、音量も大きく、ジャズがお好きでない方はご入店を遠慮させていただきます」

とありました。ここで聴いた音はいまでも耳に残っています。それはそれはとんでもなく素晴らしい音でした。壁にはケニー・バレル、ロン・カーター、日野皓正などの直筆サインもあり、また、マッチ箱のデザインが来店のたびに替わっており、これを集めるのも楽しみでした。大学在学中にいつのまにやら閉店となりましたが、あのスピーカーやアンプはどうなったんだろうと思っております。

近年こういったお店はどんどん減っていってますな。時代の流れとはいえ昔懐かしい「ジャズ喫茶」、どこかにいい店はないでしょうかね。

ちなみに私のもっともお気に入りのLPはジョン・コルトレーンの「バラード」です。

外科部長 浦久保