2014年6月10日火曜日

第78回 「郷土のあるべき姿」

広島カープ 強いですね。

昨年終盤からの勢いを今シーズンにそのまま持ち込み、セリーグは予想外?の展開になっています。
最近はマツダスタジアムに出かけると、スタンドでは老若男女を問わない一体感のある応援、溢れんばかりのお客さんは球場内の各種ショップに詰めかけ、試合後の広島駅周辺の飲食店はどこも満員といった状況になっています。まさに地域活性化を目の当たりする状況です。

スポーツによる地域活性化効果について 中国地方総合研究センターの本郷満さん は経済面だけではなく、社会面(地域への愛着、コミュニティー及び社会参加意識の高揚)をあげておられます。最近政府の新成長戦略である「日本再生ビジョン」においてプロ野球の16球団拡大が地域活性化案の1つとして打ち出されました。これもまた、スポーツによる社会面を含めた地域活性化を期待するものと考えられます。

地域を単位とする社会意識は、スポーツ関係だけではなく医療界においても近年キーワードになりつつあります。

平成26年度の一般歳出の約三割を社会保障費が占めており、今後の高齢化とともに社会保障費は急激な増加が見込まれています。また地方における二次医療圏の設定や医療従事者の確保などが、国主導の体制であることも問題点として指摘されています。

地域に適した医療のために 医療提供の量(病床数)、質(医療提携、医療安全)の評価と配分、包括ケア(検診や医療と介護の切れ目なく高齢者を支えあう仕組み)などの医療システムの再構築が地域主導で行われようとしています。

人々の価値観は多様化し、社会状況も変化します。地域における課題も多様化し、教育や環境などの問題も地域を単位とする対応がすすめられてきています。

広島で生まれ育った人たちにとってカープは郷土の象徴であり誇りでもあります。数十年ぶりのカープの快進撃を見守りながら、後年の郷土のあるべき姿にも、少しばかり思いを巡らせてみたいと思います。


内科 河野