2014年10月10日金曜日

第90回 「秋なので、城下町津山の観光スポットなどご紹介」

朝の空気がひんやりとして、金木犀のやわらかな香りが漂う秋になると、3回目の「てらおか井戸端情報」の順番が回って来ました。どうも私は秋の担当らしいなぁ(笑)。

今回は、以前に住んでいたことのある、岡山県の北東部にある城下町津山の観光スポットなどをご紹介してみます。津山城の東、「城東伝統的建造物群保存地区」には、城下町のしっとりとした町並みが保存されています。

B’zの稲葉浩志さんの故郷としても知られる津山は、山々にかこまれた緑の多い盆地の町で、中央を西から東に、岡山三大河川の一つ、吉井川が流れています。

吉井川は、津山の西隣の苫田郡鏡野の三国山に源を発し、奥津渓(おくつけい)、津山を経て、岡山県の東部を北から南に流れ、NHK大河ドラマ黒田官兵衛ゆかりの地、通称「備前福岡」、岡山県瀬戸内市長船町福岡地区の方へ下ってゆきます。

津山の秋の紅葉の名所は、津山城の鶴山(かくざん)公園、衆楽園(しゅうらくえん)、横野滝(よこののたき)、少し離れて奥津渓が知られています。

では、津山駅前から出発して、北に伸びる道路に沿ってご紹介を始めます。

駅のすぐ北にある今津屋橋(いまづやばし)で、まず、吉井川を渡ります。

津山では、川に住むというカッパをごんごと呼びます。夏に善良な市民がカッパに扮して踊る、津山納涼ごんごまつりが、今津屋橋北のごんご通りの商店街で開かれます。歩道にはごんごのモニュメントもあり、自然と町の調和を感じさせてくれます。

通りをさらに北上してなだらかな坂道を登って、大手町の交差点を右折すると、平成17年に備中櫓(やぐら)が再建され、日本さくら名所100選に選ばれている「津山城の鶴山公園」の登り口に着きます。お城の見上げるような石垣と、その石垣の上に一面に咲く桜は、壮大な景色で、春はたくさんの観光客や酔っ払いで(笑)にぎわいます。

また、その登り口には「つやま自然のふしぎ館」があります。世界の希少動物のはく製や化石などがびっくりするほど大量に展示されています。まるで、本の図鑑が現実になったような不思議な感覚です。めったに見られないので、必見です。

その隣の建物の「津山郷土博物館」には、「東京スカイツリー」の展望デッキにレプリカが展示されているという、津山藩のお抱え絵師の鍬形蕙斎(くわがたけいさい)が文化6年(1809年)の江戸時代に、まるで東京スカイツリーから眺めて書いたような、江戸一目図屏風(えどひとめずびょうぶ)、の実物があります。江戸時代を代表する新しい都市景観図の傑作として高く評価されているそうです。現在はレプリカ展示ですが、平成26年11月6日から11月30日の期間は、実物が展示されます。屏風ですから、かなり大きいですが、コンパクトなレプリカは500円で販売されていますので、お土産にいいかもしれません(笑)。その他、埴輪(はにわ)、銅鐸(どうたく)から、黒田官兵衛、羽柴秀吉の書状など、幅広く展示されています。

さて、駅前の通りに戻って、北上すると、津山高校付近を過ぎ、津山商業高校のある山北の交差点を右折すると「衆楽園」という旧津山藩別邸庭園があります。お隣の津山商業高校のグラウンドの約2倍の奥行を持つ園内は、南北に長い池に4つの島があり、曲水もあり、落ち着いたたたずまいで、池の周囲に歩道が整備され、春は桜、夏は睡蓮、秋は紅葉が素晴らしく、しかも無料(笑)。ぜひ、お勧めしたい庭園です。
 山北の交差点に戻り、駅前の通りをさらに800mくらい北上すると、中国自動車道の高架の手前に「つゝや」という、津山では有名な、五大北天(ほくてん)まんじゅう(10個500円から)のみを売っている和菓子屋さんがあります。平らで丸くて、外はつるっとしていて、中は黒糖生地でしっとりした蒸しパンのような柔らかさで、こしあんも入っていて、他にありそうでない、くせになる(笑)、とてもおいしいおまんじゅうです。このおまんじゅうを食べながら、「衆楽園」散策もいいかもしれません。

ここからは、津山の郊外になるので、車移動となります。

さらに駅前の通りを2kmほど北上して、吉井川の支流である横野川を渡って右折して、丘を登ると「グリーンヒルズ津山」に着きます。ここにあるグラスハウスという繭(まゆ)を半分に切ったかのような、ガラスが印象的な温水プールは、ジャグジーもあり、雨天でも雪でも、楽しめます。周囲の芝生も広々としていて、丘の上に吹く心地よい風を感じることができます。

 横野川を渡って右折せずに北上すると、コンビニのセブン-イレブンの手前に「麺屋大輔(めんやだいすけ)」というラーメン屋さんがあります。とんこつラーメンと塩ラーメンのお店です。とんこつラーメンは、見事に乳化したスープが胃もたれもしない素直なコクとうまさで、麺の湯で加減もよく、満足できます。

 さらに、「麺屋大輔」を過ぎて2kmほど北上すると、津山の奥座敷の「横野滝(よこののたき)」に着きます。夏は「もみじ亭」のそうめん流し、秋は紅葉がきれいで、横野は和紙の里でもあり、金箔をはさむために使う箔合紙という薄い和紙が特産品だそうです。暑い夏に、つめたい水でのそうめん流しは、大人気です。

津山から少し離れますが、もう少しご紹介を続けます。

津山から少し西、中国自動車道の院庄(いんのしょう)IC(インターチェンジ)から、国道181号線を西に向かうと、個人手作りの高さ7mのZガンダムのモビルスーツが置かれている「道の駅 久米の里」があります。ここには、とても大きく、甘い(笑)ピーマンのジャンピー(ジャンボピーマン)の入った仙人うどん、仙人そば、津山ホルモンうどんがあります。仙人うどんにはジャンピーの天ぷらが乗っていて、ピーマンの概念が変わるおいしさです。

院庄ICから、国道179号線を北に向かうと、吉井川の渓谷と、渓谷に沿った紅葉のトンネルが素晴らしい「奥津渓」と、その中に、吉井川の渓谷を窓辺に見ながら入浴できて、家族風呂もある「大釣(おおつり)温泉」があり、お勧めです。

津山は秋も良いところです。

ぜひ、足を延ばしてはいかがでしょうか。 

第二内科部長  松本