2012年7月10日火曜日

第10回 「How to eat うどん」

麺類は大体好きです。僕だけではなく、うちの家族、女房も息子も好きなようです。

とある日曜の午前中、女房が

「今日のお昼ご飯、何にしようかな」

って言い出して、息子が

「おそばがいい」

と。それを聞いて僕が

「おそばよりうどんのほうがいいな」

と言いますと、女房が

「パスタにしようかな」

って。
三人の意見が分かれたので,僕が

「パスタが欲しくない人」

って言うと息子と僕がさっと手を挙げます。すると女房が真似をして

「おそばの欲しくない人」

って。僕と女房が手を挙げると、やっぱり息子が真似をして

「うどんの欲しくない人」

って。
結局まとまらず、最後は女房の「作る人の好みで決めよう」の一言で決まったんですが。

先日ある街でうどん屋にひとりで入りました。
釜あげうどんを注文して待っているとまずおつゆのはいったそば猪口と、薬味の入った小皿が届きました。 少し遅れて店主がうどんの入ったどんぶりを持ってきて

「食べ方知っとる?」

って言うんです。釜あげうどんの食べ方って(箸でうどんをつまんで、口に運ぶ)これだけでしょう。(一体なんのことだ)と僕の頭上ではクエスチョンマークが3つ並んで、ラインダンスを踊ってます。

「え〜っと・・」

としか答えられないでいると、店主が

「薬味は全部入れて、そば猪口は手前に、丼はその奥に置いて、その間隔は指二本分。うどんは3本つまんで食べる」

これだけ言ってあちらへ行ってしまいました。(それだけのことか)、(3本つまもうが、4本つまもうが、客の勝手だろ)と心の中で思いながらも、初めて入った店で

「大きなお世話じゃ、どうやって食おうがワシの勝手じゃ」

と文句を言ったりはしません。そこは大人の対応というんですか、言われたとおりにやってみました。3本がその店のうどんの長さからして一口で食べるのに適切な量なんでしょうね、僕のおちょぼ口にぴったりでした。

もちろん店主が見ていないのを確認して、4本口に入れても全然問題はなかったんですが。
そんなこんながあって、結局完食しましたが、味のほうはそれほどでもなくって。

というのがこの春からこっち、僕のまわりであったことです。

泌尿器科医長 志田原