2018年5月20日日曜日

第207回 鬼女に魅了する神楽

 ある日、山陰にドライブに行った時のことです。
浜田市の道の駅に寄った時、笛と太鼓の音に誘われて観たのが「神楽」でした。
小さな神楽団でしたが、鬼棒を床に叩きつけ軽快に舞っていました。
私が生まれたのは小さな漁師町でした。祭りでは、沖に櫂伝馬や押し船、陸には神輿に大名行列がありましたが「神楽」はありませんでした。神楽を初めて観たのですが、何だか田舎の祭りを思い出し懐かしかったのを覚えています。

 それからしばらくして、「広島県民文化センター」で、「広島神楽」定期公演に誘われたのをきっかけに足を運ぶことになりました。街と週のど真ん中、「神楽」を楽しむ水曜の夜を満喫していました。神楽を観た後は、美味しい食事とお酒(ビール)を頂き、神楽がメインかそのあとの「飲み」がメインかわからなくなってはいましたが、かなり通っていました。

 神楽の語源は、「神座」(かむくら)が転じたとされています。神座は「神の宿るところ」「招魂・鎮魂を行う場所」を意味しています。宮廷で行われる「御神楽」と民間で行われる「里神楽」があり、私が楽しんでいたのは「里神楽」であったようです。
物語の流れを掻い摘んで言うと、村人を困らせる鬼を正義の味方が刀をもって退治する。
何といってもの魅力は、鬼女によるお面の早変わりはスリル満点。そして大きな鬼の面をつけゴージャスな伝統的な衣装での舞は圧巻です。八調子の新舞が最も好きです。

 今年は4月4日から12月26日の38週間です。福山に移住(?)して、観賞できないのが少し残念です。
看護部長 西中