2012年9月20日木曜日

第17回 「ユーモアのセンス」

私が今磨きたいもの、それは「ユーモアのセンス」です。

国語辞典によりますとユーモアとは、

“社会生活(人間関係)における不要な緊迫を和らげるのに役立つ、えんきょく表現によるおかしみ。〔矛盾・不合理に対する鋭い指摘をやんわりした表現で包んだもの〕”

とあります。

何故今頃?と言いますと、先日ある研修会に参加したときのことです。福山のニューキャッスルホテルであった「死にざまこそ人生-ありがとうといって逝くための10のヒント-」という講演を聞きました。講師は金城学院大学の柏木哲夫先生でした。沢山の方が参加しておられたので、これから紹介するお話を覚えておられる方も多いかと思います。金城先生は節々にユーモアを盛り込みながら講演してくださったので、あっという間に時間が過ぎたのを覚えています。そのお話に登場する人物のユーモアのセンスに感動し、私もユーモアのセンスを磨きたいと思ったのです。

登場人物は3人、「72歳のおばあちゃん」、「その長男のお嫁さん」、「水泳のインストラクター」でした。

ある日、72歳のおばあちゃんが

「水泳を習いたい」

と言い始めたそうです。

「何故?」

と聞くとおばあちゃんは、

「三途の川を渉るのに、泳げたほうがいいでしょ」

と答え、水泳教室に通い始めたのです。
おばあちゃんは思いのほか上達が早く、お嫁さんが練習を見学に行かれたある日の会話です。

インストラクター:
「おばあちゃんはぐんぐん上達されて、5メートル・10メートル、もう少しで25メートル泳げるようになりますよ」

それに対してお嫁さんが、笑顔で答えたそうです。

お嫁さん:
「先生ありがとうございます。おばあちゃんもこんなに泳げるようになってとても喜んでいます。でも、決してターンだけは教えないでくださいね」

私は、このおばあちゃんとお嫁さん二人のユーモアのセンスの良さに感動しました。このご家庭の日常会話や生活がこの言葉からが想像できました。このような会話が成立するのは人間関係がうまくいっている証拠だと思いました。いえいえ、このようなユーモアのセンスがある二人だから上手くいっているのかもしれません。

私の家庭も子供たちは既に巣立ち、現在は夫と私の二人暮らしです。日常会話も弾みません。そこでこの話を夫にしたところ、とても受けました。日頃から感じていたことですが、私と主人の笑いのつぼは少しずれていると思っていました。しかしこの話は大丈夫でした。これからもこのおばあちゃんとお嫁さんを見習って要所でユーモアを活用し、職場や家庭、友人関係においてもより良い人間関係を構築していきたいと思います。

看護師長  北川